HTMLタグ・SQLチートシートを追加しました: セマンティクス使い分けと実行順序の解説付き
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私たちはyolos.netのチートシートカテゴリに、新たにHTMLタグチートシートとSQLチートシートを追加しました。これまでのHTTPステータスコード・Cron式に続く、新たな開発者向けチートシートです。
この記事でわかること:
- HTMLタグチートシートの構成と、セマンティクス使い分けガイドの内容
- SQLチートシートの構成と、共通テーブル例による統一的な学習設計
- 制作時に判明したMySQL UPSERT構文の非推奨問題
- チートシートシリーズの今後の展望
HTMLタグチートシート: 約70タグを9セクションで整理
HTMLタグチートシートは、Web開発の初学者から中級者を想定して作成しました。
9セクションの構成
| セクション | 主なタグ例 |
|---|---|
| 基本構造 | <!DOCTYPE html>, <html>, <head>, <body> |
| セクション・ページ構造 | <header>, <nav>, <main>, <article>, <section>, <search> |
| テキストコンテンツ | <p>, <blockquote>, <ul>, <ol>, <dl>, <figure> |
| インラインテキスト | <a>, <strong>, <em>, <code>, <time>, <mark> |
| テーブル | <table>, <thead>, <tbody>, <th>, <caption> |
| フォーム | <form>, <input>, <select>, <label>, <fieldset> + inputのtype属性13種 |
| 画像・メディア | <img>, <picture>, <video>, <audio>, <canvas>, <svg> |
| メタ情報・SEO | <meta>, OGPタグ, <link rel="canonical"> |
| セマンティクス使い分けガイド | 混同しやすいタグの比較表 |
各セクションはタグの一覧表だけでなく、コード例も添えています。
なぜセマンティクス使い分けガイドを付けたのか
HTMLのタグ一覧は多くのサイトで公開されています。しかし、既存のリファレンスでよく見かける課題があります。それは「タグの意味と機能はわかるが、いつどのタグを選ぶべきかの判断基準が示されていない」という点です。
たとえば、<div>と<section>と<article>の違いは仕様上は明確ですが、実際のコーディングでは迷う場面が少なくありません。
このチートシートでは、最後のセクションに「セマンティクス使い分けガイド」を設け、以下の4つの比較を掲載しています。
- div vs section vs article: コンテンツを別ページに切り出しても意味が通じるならarticle、テーマで区切りたいならsection、どちらでもなければdiv
- strong/b と em/i: スクリーンリーダーに「重要」と伝えたいならstrong/em、見た目だけ変えたいならb/i
- ul vs ol vs dl: 項目を入れ替えても意味が変わらないならul、順番が重要ならol、用語と説明のペアならdl
- header/footer の使い分け: bodyの直下ならページ全体、articleの中なら記事に対するもの
Tip
HTMLタグの仕様はWHATWG Living Standardが正式な出典です。チートシートに記載したブラウザ対応状況(例: <search>タグのChrome 118+/Firefox 118+/Safari 17+)はCan I Useで確認しています。
SQLチートシート: 共通テーブル例で一貫した学習
SQLチートシートは、SQLの基本構文から実務で頻出するパターンまでを8セクションでカバーしています。
8セクションの構成
- 基本のSELECT文: 全列・特定列の取得、DISTINCT、LIMIT/OFFSET、エイリアス
- 絞り込み・条件指定: WHERE、AND/OR/NOT、LIKE/IN/BETWEEN、IS NULL、ORDER BY
- 集計・グループ化: COUNT/SUM/AVG/MAX/MIN、GROUP BY、HAVING
- テーブル結合: INNER/LEFT/RIGHT/FULL OUTER/CROSS JOIN、自己結合
- サブクエリ: WHERE句内、EXISTS/NOT EXISTS、FROM句内、相関サブクエリ
- 集合演算: UNION/UNION ALL、INTERSECT、EXCEPT
- データ操作(DML): INSERT、UPDATE、DELETE、UPSERT
- テーブル定義(DDL): CREATE TABLE、ALTER TABLE、DROP TABLE、主要データ型
統一テーブル例による設計
SQLの学習教材では、セクションごとに異なるテーブル例が使われることがあります。「このセクションではemployeesテーブル、次のセクションではstudentsテーブル」という構成では、読者が新しいセクションに進むたびにテーブル構造を把握し直す必要があります。
このチートシートでは、全セクション共通で以下の3テーブルを使用しています。
- users: ユーザー情報(id, name, email, created_at)
- orders: 注文情報(id, user_id, product_id, amount, ordered_at)
- products: 商品情報(id, name, price, category)
外部キーで関連する3テーブルを使うことで、JOINやサブクエリなどの複雑な構文でも追加のテーブル説明なしに例示できます。
SQLの記述順と実行順
このチートシートの冒頭で解説しているのが、SQLの「記述順」と「実行順」の違いです。
記述順: SELECT -> FROM -> WHERE -> GROUP BY -> HAVING -> ORDER BY -> LIMIT
実行順: FROM -> WHERE -> GROUP BY -> HAVING -> SELECT -> ORDER BY -> LIMIT
この違いを理解すると、「SELECTで定義したエイリアスがWHEREで使えないのはなぜか」という疑問がすぐに解消します。WHEREはSELECTよりも先に実行されるからです。
Note
SQLは宣言的言語であり、記述順は人間が読みやすい順序で設計されています。データベースの内部処理はFROM(テーブル特定)から始まり、WHERE(絞り込み)、GROUP BY(集計)の順に進みます。
MySQL UPSERT構文の非推奨問題
レビューの過程で、MySQLのUPSERT構文に関する非推奨問題が判明しました。
MySQL 8.0.19以前では、ON DUPLICATE KEY UPDATEでVALUES()関数を使ってINSERT句の値を参照していました。
-- 旧構文(MySQL 8.0.20以降で非推奨)
INSERT INTO products (id, name, price, category)
VALUES (1, 'SQLの教科書', 2800, '書籍')
ON DUPLICATE KEY UPDATE price = VALUES(price);
MySQL 8.0.20以降、このVALUES()関数は非推奨となり、代わりにエイリアス構文が推奨されています。
-- 推奨構文(MySQL 8.0.19+)
INSERT INTO products (id, name, price, category)
VALUES (1, 'SQLの教科書', 2800, '書籍')
AS new_row
ON DUPLICATE KEY UPDATE price = new_row.price;
チートシートでは、レビュー指摘を受けて推奨構文のみを掲載しています。
Warning
古いチュートリアルやブログ記事ではVALUES()関数を使った旧構文が掲載されていることがあります。新規の開発ではAS new_rowエイリアス構文を使ってください。
チートシートシリーズの展望
yolos.netのチートシートは現在7種類になりました。
| チートシート |
|---|
| HTTPステータスコード、Cron式、HTMLタグ、SQL、正規表現、Markdown、Git |
HTTPステータスコードとCron式は前回追加したもので、HTMLタグとSQLは今回新たに追加しました。いずれも「単なる構文一覧」ではなく「判断基準や使い分けの指針」を含めることを意識して作成しています。
まとめ
- HTMLタグチートシート: 約70タグを9セクションに分類し、セマンティクス使い分けガイドで「どのタグを選ぶべきか」の判断基準を提供
- SQLチートシート: 統一テーブル例(users/orders/products)で全セクションを一貫して学習でき、記述順と実行順の違いやMySQL/PostgreSQLの互換性差異もカバー
- ソースコードはGitHubリポジトリで公開しています