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(更新: 2026-03-02)12分で読める

Next.jsハイドレーション不整合をシード付き乱数で解決する

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Next.jsでコンポーネントの表示順をランダムにしたいとき、Math.random()を使ってシャッフルするのは自然な発想です。しかし、この素朴なアプローチはハイドレーション不整合という厄介な問題を引き起こします。

この記事では、以下の内容を解説します。

  • Math.random()がNext.jsでハイドレーション不整合を起こすメカニズム
  • よくある解決策(useEffectsuppressHydrationWarningnext/dynamic)とその限界
  • slug由来シード + 線形合同法(LCG)による決定論的シャッフルのコピペ可能な実装
  • 「ランダムが本当に必要か」という設計判断の考え方

Math.random()がNext.jsで問題になる理由

SSRとハイドレーションの仕組み

Next.jsでは、クライアントコンポーネント("use client"を指定したコンポーネント)もサーバー側で一度レンダリングされます。この仕組みをSSR(Server-Side Rendering)と呼びます。

  1. サーバー側: コンポーネントをレンダリングしてHTMLを生成し、ブラウザに送信する
  2. クライアント側: ブラウザがHTMLを表示した後、ReactがそのHTMLに対してイベントハンドラなどを「接続」する(ハイドレーション)

ハイドレーションの際、Reactはサーバーが生成したHTMLとクライアント側で再実行したレンダリング結果を比較します。この2つが一致しないと、Reactは「ハイドレーション不整合」として警告を出します。

Math.random()がなぜ2つの結果をずらすか

Math.random()は呼び出すたびに異なる値を返します。サーバーとクライアントは別々のJavaScript実行環境なので、当然ながらMath.random()の返す値も異なります。

// このコードはサーバーとクライアントで異なる結果を返す
// 注: .sort(() => Math.random() - 0.5) は均一なシャッフルにならない問題もあります。
// ここではハイドレーション不整合の説明に焦点を当てています。
function RelatedItems({ items }: { items: Item[] }) {
  const shuffled = [...items].sort(() => Math.random() - 0.5);
  return (
    <ul>
      {shuffled.slice(0, 5).map((item) => (
        <li key={item.id}>{item.name}</li>
      ))}
    </ul>
  );
}

サーバー側のレンダリングで「A, C, B, E, D」という順序になったとしても、クライアント側のハイドレーション時には「B, D, A, C, E」のように別の順序になります。Reactはこの不一致を検知して、以下のような警告をコンソールに出力します。

Warning: Text content did not match. Server: "A" Client: "B"

Warning

ハイドレーション不整合が発生すると、Reactはクライアント側の結果で画面を再レンダリングします。これによりコンテンツがちらつくだけでなく、パフォーマンスにも悪影響があります。

useStateの遅延初期化でも同じ問題が起きる

useStateの初期化関数で一度だけシャッフルすれば、再レンダリング時には値が保持されるから大丈夫では?」と考えるかもしれません。

const [shuffled] = useState(() => {
  const copy = [...items];
  // Fisher-Yates shuffle
  for (let i = copy.length - 1; i > 0; i--) {
    const j = Math.floor(Math.random() * (i + 1));
    [copy[i], copy[j]] = [copy[j], copy[i]];
  }
  return copy.slice(0, 5);
});

しかし、useStateの初期化関数はサーバー側でも実行されます。サーバーで実行されたときのMath.random()とクライアントで実行されたときのMath.random()が異なる値を返すため、同じハイドレーション不整合が発生します。

よくある解決策とその限界

useEffectパターン: SSR時にコンテンツが空になる

最も広く紹介されている解決策は、useEffectでマウント後にシャッフルする方法です。

function RelatedItems({ items }: { items: Item[] }) {
  const [shuffled, setShuffled] = useState<Item[]>([]);

  useEffect(() => {
    const copy = [...items];
    for (let i = copy.length - 1; i > 0; i--) {
      const j = Math.floor(Math.random() * (i + 1));
      [copy[i], copy[j]] = [copy[j], copy[i]];
    }
    setShuffled(copy.slice(0, 5));
  }, [items]);

  if (shuffled.length === 0) return null;

  return (
    <ul>
      {shuffled.map((item) => (
        <li key={item.id}>{item.name}</li>
      ))}
    </ul>
  );
}

サーバーではuseEffectは実行されないため、初期状態の空配列でレンダリングされます。クライアント側のハイドレーション時も最初は空配列なので不整合は起きません。マウント後にuseEffectが実行されてコンテンツが表示されます。

しかし、このアプローチには問題があります。

SSR時にコンテンツが空になる: サーバーが生成するHTMLには関連アイテムが含まれません。検索エンジンのクローラーがJavaScriptを実行しない場合、この部分のコンテンツはインデックスされない可能性があります。

レイアウトシフトが発生する: 最初は空で、マウント後にコンテンツが表示されるため、ページの内容が視覚的に「ジャンプ」します。これはCumulative Layout Shift (CLS)の悪化要因になります。

eslint-plugin-react-hooksの新ルールとの関係: React 19で追加されたreact-hooks/set-state-in-effectルールは、propsやstateの変更に同期してstateを更新するパターン(例: propsが変わったらstateをリセットする)を主な対象とし、そのような値はuseEffect内でsetStateするのではなくレンダリング時に直接計算することを推奨しています。シャッフルの例は「外部システムとの同期」に近いケースであり、このルールが直接対象とするパターンとは異なると考えられます。ただし、useEffect内でのsetStateを避けるという方向性には合致しており、将来的にルールの対象範囲が拡大された場合にlint警告が出る可能性も否定できません。

Note

react-hooks/set-state-in-effectはReact本体のAPIではなく、eslint-plugin-react-hooksに追加されたlintルールです。React 19のコア機能の変更とは異なる点に注意してください。詳細はReact公式ドキュメントを参照してください。

suppressHydrationWarning: 根本解決にならない

ReactのsuppressHydrationWarningプロパティを使えば、警告を抑制できます。

<div suppressHydrationWarning>
  {shuffled.map((item) => (
    <span key={item.id}>{item.name}</span>
  ))}
</div>

しかし、これは警告を非表示にするだけで、問題の本質は解決しません。

  • サーバーとクライアントでHTMLが異なるという事実は変わらない
  • Reactはクライアント側の結果で再レンダリングするため、コンテンツのちらつきは残る
  • suppressHydrationWarningはpropsを設定した要素自身にのみ有効で(React公式: "It only works one level deep")、その子孫要素のミスマッチは抑制されない

next/dynamic ssr:false: SEOへの影響

next/dynamicを使ってコンポーネント全体をクライアント専用にする方法もあります。

import dynamic from "next/dynamic";

const RelatedItems = dynamic(() => import("./RelatedItems"), {
  ssr: false,
});

この方法はハイドレーション不整合を完全に回避しますが、コンポーネント全体がSSRから除外されます。関連アイテムのリンクが検索エンジンにインデックスされなくなるため、内部リンクの効果が失われます。

決定論的シャッフルという選択肢

「同じ入力なら同じ出力」という発想

ここまでの解決策はいずれも「ランダム性をクライアント側に限定する」というアプローチでした。しかし発想を変えて、「サーバーとクライアントで同じシャッフル結果を得る」ことを目指すとどうでしょうか。

ページのURLスラッグなど、サーバーとクライアントの両方で同じ値が得られるデータをシードとして使えば、毎回同じ「ランダムに見える」順序を生成できます。これが決定論的シャッフルです。

slugからシードを生成するハッシュ関数

まず、文字列からシード値(整数)を生成するハッシュ関数を用意します。

/**
 * 文字列から決定論的なシード値を生成する。
 * 同じ文字列からは常に同じシードが返る。
 */
function hashStringToSeed(str: string): number {
  let seed = 0;
  for (let i = 0; i < str.length; i++) {
    seed = (seed * 31 + str.charCodeAt(i)) | 0;
  }
  return seed;
}

乗数31は、ハッシュ関数で広く使われている素数です。各文字のコードポイントを順に畳み込むことで、文字列全体の特徴を反映したシード値を得られます。| 0はビットOR演算で、結果を32ビット整数に収めるために使っています。

線形合同法(LCG)の仕組みと定数の選び方

シードから「ランダムに見える」数列を生成するために、線形合同法(Linear Congruential Generator, LCG)を使います。LCGは以下の漸化式で数列を生成する、最もシンプルな擬似乱数生成アルゴリズムの一つです。

next = (a * current + c) mod m
  • a: 乗数
  • c: 増分
  • m: 法(モジュラス)

JavaScriptでは32ビット整数演算を使うことで、m = 2^32を暗黙的に実現できます。

/**
 * シード付き擬似乱数生成器(線形合同法)。
 * 呼び出すたびに0以上1未満の擬似乱数を返す。
 */
function createSeededRandom(seed: number): () => number {
  let state = seed;
  return (): number => {
    // Numerical Recipesの定数(a=1664525, c=1013904223)
    state = (state * 1664525 + 1013904223) | 0;
    return (state >>> 0) / 0x100000000;
  };
}

定数16645251013904223は、Numerical Recipesで推奨されている値です。これらの定数は「数列の周期が最大になる」「統計的な偏りが少ない」ことが数学的に検証されています。

state >>> 0は符号なし右シフトで、32ビット整数を符号なし整数(0から2^32-1の範囲)として解釈します。これを0x100000000(= 2^32)で割ることで、0以上1未満の浮動小数点数を得ます。Math.random()と同じインターフェースです。

Fisher-Yatesシャッフルとの組み合わせ

標準的なシャッフルアルゴリズムであるFisher-Yatesシャッフルと、上記のシード付き乱数生成器を組み合わせます。

/**
 * 決定論的Fisher-Yatesシャッフル。
 * 同じシードからは常に同じシャッフル結果を返す。
 * 元の配列は変更しない。
 */
function deterministicShuffle<T>(items: T[], seed: number): T[] {
  const result = [...items];
  const random = createSeededRandom(seed);

  for (let i = result.length - 1; i > 0; i--) {
    const j = Math.floor(random() * (i + 1));
    [result[i], result[j]] = [result[j], result[i]];
  }

  return result;
}

コピペ可能な完全な実装コード

以上を組み合わせた、実用的な実装の全体像です。

// --- 決定論的シャッフル ユーティリティ ---

function hashStringToSeed(str: string): number {
  let seed = 0;
  for (let i = 0; i < str.length; i++) {
    seed = (seed * 31 + str.charCodeAt(i)) | 0;
  }
  return seed;
}

function createSeededRandom(seed: number): () => number {
  let state = seed;
  return (): number => {
    state = (state * 1664525 + 1013904223) | 0;
    return (state >>> 0) / 0x100000000;
  };
}

function deterministicShuffle<T>(items: T[], seed: number): T[] {
  const result = [...items];
  const random = createSeededRandom(seed);
  for (let i = result.length - 1; i > 0; i--) {
    const j = Math.floor(random() * (i + 1));
    [result[i], result[j]] = [result[j], result[i]];
  }
  return result;
}

// --- Reactコンポーネントでの使い方 ---

function RelatedItems({ items, slug }: { items: Item[]; slug: string }) {
  // slugからシードを生成し、決定論的にシャッフル
  const shuffled = useMemo(() => {
    const seed = hashStringToSeed(slug);
    return deterministicShuffle(items, seed).slice(0, 5);
  }, [items, slug]);

  return (
    <ul>
      {shuffled.map((item) => (
        <li key={item.id}>{item.name}</li>
      ))}
    </ul>
  );
}

この実装では以下のことが保証されます。

  • 同じslugからは常に同じシャッフル結果が返る: サーバーとクライアントで同じslugが渡されるため、ハイドレーション不整合が起きない
  • SSR時もコンテンツが表示される: useEffectと違い、サーバー側のレンダリング時点でシャッフル済みのコンテンツが出力される
  • レイアウトシフトが発生しない: 初期状態からコンテンツが存在するため、マウント後に画面が「ジャンプ」しない

Tip

useMemoの代わりにuseStateの遅延初期化を使っても同じ効果が得られます。const [shuffled] = useState(() => deterministicShuffle(items, seed).slice(0, 5));のように書けば、初回レンダリング時にのみシャッフルが実行されます。

設計判断: ランダム性は本当に必要か

決定論的シャッフルを導入する前に、一歩引いて考えるべき問いがあります。「そもそも、このコンテンツにランダム性は必要か?」

ページリロードで表示が変わる vs 一貫した表示

Math.random()によるシャッフルでは、ページをリロードするたびに表示順が変わります。一方、決定論的シャッフルでは同じページでは常に同じ順序で表示されます。

一見すると「リロードのたびに変わるほうが面白い」と思えるかもしれません。しかし、ユーザー体験の観点では、一貫した表示にも大きなメリットがあります。

  • 認知負荷の軽減: 同じページを再訪問したとき、以前と同じレイアウトであれば情報を素早く見つけられる
  • 共有の信頼性: ユーザーがページを共有したとき、相手も同じコンテンツを見ることが保証される
  • テストの容易さ: 表示が決定論的であれば、スクリーンショットテストやE2Eテストの結果が安定する

どんな場面で決定論的シャッフルが適しているか

決定論的シャッフルが特に効果的なのは、以下のような場面です。

  • 「関連コンテンツ」の表示: 同じページからは常に同じ関連コンテンツが表示されるが、異なるページからは異なるコンテンツが表示される
  • カード型UIの並び替え: ページごとに「ランダムに見える」配置だが、同じページでは一貫している
  • A/Bテストのバリエーション: ユーザーIDやセッションIDをシードにすれば、同じユーザーには常に同じバリエーションが表示される

逆に、本当にリロードのたびに表示を変えたい場合(ゲームのシャッフルや広告のローテーションなど)には、useEffectパターンを使ってクライアント側でのみMath.random()を実行するのが適切です。

まとめ: ハイドレーション不整合への対処パターン一覧

Math.random()に起因するハイドレーション不整合に対して、4つのアプローチを解説しました。それぞれの特性を表にまとめます。

アプローチ SSRコンテンツ レイアウトシフト SEO リロード時の変化
useEffect + setState あり コンテンツなし 毎回変わる
suppressHydrationWarning あり(ちらつく) なし あり 毎回変わる
next/dynamic ssr:false なし あり コンテンツなし 毎回変わる
決定論的シャッフル あり なし あり 同じページでは同じ

多くのケースでは、決定論的シャッフルが最もバランスの良い解決策です。SSR時からコンテンツが表示され、レイアウトシフトもなく、SEOにも影響しません。「ランダムに見えるが実は決定論的」という性質は、関連コンテンツの表示などではむしろ望ましい特性です。

実装も小さく(ハッシュ関数 + LCG + Fisher-Yatesで合計20行程度)、外部ライブラリへの依存もありません。Next.jsでランダム表示を実装する際の選択肢として、検討してみてください。

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ソースコードはGitHubリポジトリで公開しています。

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