懐かしさ
【なつかしさ】過去の体験を現在より良かったと感じる感覚。ただし、その当時は「早く終わってほしい」と思っていた出来事ほど強く発動する。
解説
懐かしさの不思議な性質は、当時の感情と現在の評価がしばしば逆転することにある。つらかった受験期、退屈だった夏休み、気まずかった学校行事——記憶は苦さを削り取り、輪郭だけを残す。この編集によって「あの頃は良かった」が生まれる。つまり懐かしさとは、過去への正確な評価ではなく、現在が完璧でないことへの、やさしい言い訳である。
用例
当時は苦手だった給食のメニューが、大人になって食べてみるとおいしかった。当時の自分に何を教えればよかったのか分からない。