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Re: Spawner設計: 類似事例調査と現状コードベース分析
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Summary
ownerの指示(メモID: 19c66af7608)に基づくspawnerシステムの設計に関して、(1) 類似プロセスマネージャの設計パターン調査、(2) 現状コードベースの分析、(3) 改善提案を行った。
Results
1. 類似事例の調査
1.1 プロセスマネージャの設計パターン
PM2の設計パターン(参考度: 高)
- プロセスのライフサイクル管理: start / stop / restart / reload をコマンドで制御
- 自動リスタート: クラッシュ時に即座にプロセスを再起動
- Ready Signal Pattern: プロセスが
process.send('ready')を送信するまで"online"とみなさない(spawnerでは不要だが参考になる) - Ecosystem Config: 宣言的にプロセスを定義(JSON/YAML config)
supervisord(参考度: 中)
- 各プロセスにリトライ回数(startretries)とリトライ間隔を設定可能
- プロセスグループの概念(spawnerの「全停止時にPMを起動」に近い考え方)
- stdout/stderrの別ファイルへのリダイレクト
foreman(参考度: 低)
- Procfileベースのプロセス定義(シンプルだがspawnerの動的起動モデルとは異なる)
spawnerへの示唆:
- ownerの仕様はPM2の自動リスタート+supervisordのリトライパターンを組み合わせた設計に近い
- リトライ間隔はexponential backoff(例: 1秒, 2秒, 4秒)が一般的だが、ownerの仕様では「間隔を開けて3回」と記載あり。具体的な間隔は実装計画で決定すべき
1.2 ファイルシステム監視のベストプラクティス
Node.js組み込み fs.watch
- Node.js v25.6.0(現環境)では
recursive: trueオプションがLinuxでもサポートされている(v19以降) - inotifyベースで省電力・低CPU使用率
- 注意点: 同一ファイル変更で複数イベントが発火する場合がある(デバウンス処理が必要)
- inotifyのウォッチャー上限(デフォルト8192)に注意。
memo/*/inbox/の監視程度なら問題なし
chokidar(v5)
- 30万リポジトリ以上で使用される実績あるライブラリ
- ESM-only(v5)、Node.js v20+必須
- add/change/unlinkイベントを正確に報告
- 依存パッケージを増やすことになる
推奨:
- spawnerが監視するのは
memo/*/inbox/のみ(6ディレクトリ、ownerを除く)であり、監視範囲が限定的 - Node.js v25環境なので
fs.watchのrecursiveオプションが利用可能 - 外部依存を追加せず
fs.watchで十分対応可能。ただし以下の対策が必要:- デバウンス処理(同一ファイルに対する重複イベントの抑制、100-200ms程度)
.mdファイルのみをフィルタリング- ファイルが完全に書き込まれたことを確認するポーリング(アトミック書き込みでない場合への対策)
1.3 複数プロセスのライフサイクル管理パターン
Master-Worker パターン:
- マスタープロセスがすべてのワーカーを管理
- ワーカーの起動・停止・エラーはマスターが一元管理
- 各ワーカーのexitイベントを監視し、必要に応じて再起動
spawnerへの適用:
child_process.spawn()でエージェントプロセスを起動- 各プロセスの
exitイベントを監視して終了を検知 - プロセス管理用のMap(agent名 -> ChildProcess[])で状態を追跡
- project-managerは同時に1プロセスのみ(Map内で特別扱い)
1.4 グレースフルシャットダウン実装パターン
一般的なパターン:
- SIGINTハンドラを1箇所に集約(shutdown managerパターン)
- シグナル受信時に「新規受付停止」フラグを立てる
- 全子プロセスにSIGTERMを送信
- 子プロセスのexit待ち(タイムアウト付き)
- タイムアウト後にSIGKILLで強制終了
ownerの仕様との対応:
- Ctrl-C 1回 -> 「終了モード」(新規起動停止、全エージェント終了待ち)
- Ctrl-C 3回/1秒以内 -> 全プロセスにSIGKILLで即座終了
- 実装方法:
process.on('SIGINT', handler)でハンドラ登録。SIGINT受信時のタイムスタンプを配列で記録し、直近1秒以内に3回以上であれば強制終了モードに遷移
注意点:
- Node.jsではSIGINTハンドラを登録すると、デフォルトのプロセス終了動作が無効化される
- 子プロセスにもSIGINTが伝播する場合があるため、子プロセス側でのハンドリングも考慮が必要
child_process.spawn()のdetached: false(デフォルト)であれば、親プロセスのSIGINTが子にも届く可能性がある。stdio: 'pipe'でstdin/stdout/stderrをパイプすることで、子プロセスへの直接的なシグナル伝播を制御できる
2. 現状コードベースの分析
2.1 エージェント定義ファイル(.claude/agents/)
現在5つのエージェント定義ファイルが存在する:
| ファイル | 説明 |
|---|---|
/home/ena/yolo-web/.claude/agents/builder.md |
実装エージェント |
/home/ena/yolo-web/.claude/agents/planner.md |
計画エージェント |
/home/ena/yolo-web/.claude/agents/process-engineer.md |
プロセス改善エージェント |
/home/ena/yolo-web/.claude/agents/researcher.md |
調査エージェント |
/home/ena/yolo-web/.claude/agents/reviewer.md |
レビューエージェント |
構造:
- YAML frontmatter(name, description, tools, model, permissionMode)+ Markdownボディ
- 各ファイルにはロール説明、ルール、Memo Workflowセクション、メモフォーマットの説明が含まれる
$INPUT_MEMO_FILESのようなプレースホルダは現在使用されていない
注意点:
project-managerのエージェント定義ファイルは.claude/agents/に存在しない(PMはClaude Codeのdelegateモードで直接動作している模様)- ownerの仕様では
project-managerもspawner経由で起動するため、新たにプロンプトファイルの作成が必要
2.2 現在のエージェントプロンプトの仕組み
.claude/settings.jsonで"defaultMode": "delegate"が設定されているCLAUDE_CODE_EXPERIMENTAL_AGENT_TEAMS環境変数が有効- Claude Codeのカスタムエージェント機能(
.claude/agents/*.md)を使用してサブエージェントを起動する仕組み - spawner導入後はこの仕組みを廃止し、
claude -pコマンド経由でプロンプトを渡す方式に変更
2.3 メモディレクトリ構造
memo/
├── owner/ (inbox/ active/ archive/)
├── project-manager/ (inbox/ active/ archive/)
├── researcher/ (inbox/ active/ archive/)
├── planner/ (inbox/ active/ archive/)
├── builder/ (inbox/ active/ archive/)
├── reviewer/ (inbox/ active/ archive/)
└── process-engineer/ (inbox/ active/ archive/)
- 7ロール x 3ディレクトリ = 21ディレクトリ
- spawnerが監視対象とするのは owner を除く6ロールの inbox/ = 6ディレクトリ
- メモファイル名の形式:
<hex-unix-ms-id>-<kebab-case-subject>.md - メモのfrontmatterに
from,to,subjectが含まれるため、spawnerのログ出力に必要な情報はファイルから取得可能
2.4 package.json のスクリプト定義
現在のスクリプト:
dev,build,start,lint,lint:fix,typecheck,test,test:watch,format,format:check,memospawnerスクリプトは未定義 -- 追加が必要
ランタイム環境:
- TypeScript実行には
tsxを使用(devDependenciesに含まれる) - spawnerも
tsx scripts/spawner.tsのような形で起動可能
2.5 spawner導入に伴い変更が必要なファイル・設定の一覧
新規作成が必要なファイル:
| ファイル | 内容 |
|---|---|
scripts/spawner.ts (又は scripts/spawner/ ディレクトリ) |
spawner本体の実装 |
agents/prompt/builder.md |
builderのプロンプト(.claude/agents/builder.md から移動・改変) |
agents/prompt/planner.md |
plannerのプロンプト |
agents/prompt/process-engineer.md |
process-engineerのプロンプト |
agents/prompt/researcher.md |
researcherのプロンプト |
agents/prompt/reviewer.md |
reviewerのプロンプト |
agents/prompt/project-manager.md |
PMのプロンプト(新規作成) |
agents/logs/ ディレクトリ |
ログ出力先(gitignore対象) |
変更が必要な既存ファイル:
| ファイル | 変更内容 |
|---|---|
package.json |
"spawner": "tsx scripts/spawner.ts" スクリプト追加 |
.gitignore |
agents/logs/ を追加 |
.claude/settings.json |
delegateモード設定の見直し(spawner導入後も並行して使えるか要検討) |
docs/workflow.md |
spawner運用手順の追記、サブエージェント起動方式の変更を反映 |
CLAUDE.md |
spawner関連の情報追加 |
削除が必要なファイル:
| ファイル | 理由 |
|---|---|
.claude/agents/builder.md |
agents/prompt/builder.md に移動 |
.claude/agents/planner.md |
agents/prompt/planner.md に移動 |
.claude/agents/process-engineer.md |
agents/prompt/process-engineer.md に移動 |
.claude/agents/researcher.md |
agents/prompt/researcher.md に移動 |
.claude/agents/reviewer.md |
agents/prompt/reviewer.md に移動 |
重要な注意:
- プロンプトファイルを
.claude/agents/からagents/prompt/に移動する際、YAML frontmatter(name, description, tools, model, permissionMode)はClaude Code固有の設定であり、claude -pコマンドでは不要。プロンプトファイルはMarkdownボディのみに変更する必要がある - 各プロンプトファイルに
$INPUT_MEMO_FILESプレースホルダを追加する必要がある(project-managerを除く)
3. 改善提案
3.1 エラーハンドリングの強化
- リトライ間隔: ownerの仕様では「間隔を開けて3回リトライ」とあるが、exponential backoff(例: 2秒, 4秒, 8秒)を推奨。固定間隔よりも一時的な障害からの復旧に有利
- エラー分類: 起動失敗(コマンド実行エラー)と実行中のクラッシュ(非ゼロexitコード)を区別してログに記録すべき
- メモのパース失敗: frontmatterの読み取りに失敗した場合のフォールバック動作を定義すべき(ログ出力してスキップ等)
3.2 ログフォーマットの改善
- ownerの仕様のログフォーマットは明確で十分。追加の提案:
- エージェントの終了時にexit codeも記録:
${datetime} [${agent}] end (exit: ${code}) - ログファイルはUTF-8 BOMなしで統一
- ログローテーションは将来の課題として、初期実装ではスコープ外でよい
- エージェントの終了時にexit codeも記録:
3.3 スケーラビリティの考慮
- 現在のロール数(6+owner)では問題にならないが、メモの監視でイベント重複(デバウンス)の対策は必須
- 同一ロール(project-manager以外)の複数プロセスが同時に動作する可能性があるため、プロセス数の上限を設けることを推奨(例: 環境変数
SPAWNER_MAX_CONCURRENTでデフォルト10程度) - ただし、これはownerの仕様にないため、あくまで提案レベル
3.4 テスト戦略
- ユニットテスト:
- メモファイルのパース(frontmatter読み取り): 既存の
scripts/memo/のパーサーを再利用可能 - ログフォーマッターのテスト
- SIGINTハンドラのロジック(タイムスタンプ配列のチェック)
- プロセス管理のステートマシンテスト(起動/停止/リトライの状態遷移)
- メモファイルのパース(frontmatter読み取り): 既存の
- 統合テスト:
SPAWNER_SPAWN_CMDにモックコマンド(例:echoや簡易スクリプト)を設定してE2Eテスト- ファイル監視 -> エージェント起動のフローテスト
- グレースフルシャットダウンのテスト(SIGINTシグナル送信)
- 既存の
vitest+jsdom環境を活用可能。ただしchild_processのモックが必要
3.5 その他の提案
$INPUT_MEMO_FILESの複数ファイル対応: 起動時に同一ロールのinboxに複数メモがある場合、project-manager以外は1メモ1プロセスだが、起動トリガーとなったメモのパスだけを渡すべき。仕様通りで問題なし.claude/settings.jsonの共存: spawner導入後もClaude Codeの対話モードは残しておくべき。settings.jsonのdefaultMode: "delegate"はspawnerとは独立して機能するため、削除せず維持を推奨。ただし.claude/agents/のファイルは削除するため、delegateモードでのサブエージェント起動は不可になる点に注意- プロンプトファイルのテンプレート変数:
$INPUT_MEMO_FILES以外にも$AGENT_NAMEや$TIMESTAMPなどの変数を将来追加できるよう、テンプレート置換を汎用的に実装しておくと拡張性が高い(ただし現時点ではownerの仕様にないため、過剰実装にならないよう注意)
調査済みリポジトリパス
/home/ena/yolo-web/.claude/agents/-- エージェント定義ファイル(5ファイル)/home/ena/yolo-web/.claude/settings.json-- Claude Code設定/home/ena/yolo-web/package.json-- スクリプト定義、依存関係/home/ena/yolo-web/tsconfig.json-- TypeScript設定/home/ena/yolo-web/.gitignore-- gitignore設定/home/ena/yolo-web/scripts/memo.ts-- メモCLIエントリポイント/home/ena/yolo-web/scripts/memo/-- メモツール実装(types.ts, core/paths.ts 等)/home/ena/yolo-web/memo/-- メモディレクトリ全体/home/ena/yolo-web/docs/workflow.md-- ワークフロー定義/home/ena/yolo-web/docs/memo-spec.md-- メモ仕様
外部ソース
- PM2公式サイト・GitHub: https://pm2.io/ , https://github.com/Unitech/pm2
- chokidar GitHub: https://github.com/paulmillr/chokidar
- Node.js child_process API: https://nodejs.org/api/child_process.html
- Node.js fs.watch recursive support (issue #36005): https://github.com/nodejs/node/issues/36005
- Graceful shutdown patterns: https://dtrunin.github.io/2022/04/05/nodejs-graceful-shutdown.html
確信度
- 類似事例の調査: 高 -- 確立されたパターンに基づく
- コードベース分析: 高 -- 実ファイルを直接確認済み
- 改善提案: 中 -- ownerの仕様は十分に詳細であり、大きな改善余地は少ない。提案は主にエッジケースへの対応
未知の事項
claude -pコマンドの正確な引数仕様(プロンプトをファイルパスで渡すのか、stdinで渡すのか、引数文字列で渡すのか)- spawner実行中にClaude Codeの対話モードも同時に使用するケースがあるかどうか
- エージェントのプロセスが使用するリソース量(メモリ等)の上限
Next actions
- project-managerがこの調査結果とreviewerからのレビュー結果を統合し、改善提案を取捨選択する
- plannerに実装計画を、process-engineerにドキュメント・ワークフロー変更案を依頼する